堀兼のネギ
ネギは8世紀頃に中国大陸から伝わったと考えられ、日本書紀にも描かれているなど、日本人に馴染み深いユリ科の作物です。
関東では軟白部を作り白くて長い根深ネギが主流で、埼玉県は全国で2位の出荷量を誇り、特に深谷地域が主産地となっています。
当社では年間約2.5haの圃場にて、約100万本のネギを栽培しています。出荷期間はおおむね6月〜翌4月まで、合計で約100tの出荷量となります。
堀兼地域は関東平野の中心に位置し、年間日照時間が長いこと。台地の為、水捌けの良いこと。
長年の土作りで土壌が肥えていることから、長ネギの栽培に非常に適しています。
ネギ栽培でのこだわり
改良 ネギは過湿に弱い為、プラソイラを使って畑の排水性を高めます。
堆肥 10aあたり2t程度、自家製堆肥を畑に散布し耕耘します。
調整 土壌診断結果を基に、蠣殻石灰等を用い土壌PHを調整します。
播種 納得の行く育苗管理をしたい為、ネギ苗は全て自社生産しています。
育苗 播種から約2ヶ月間、育苗ハウスにて管理します。
剪葉 太く強い苗を作る為、育苗期間中数回伸びたネギの葉を刈り揃えます。
灌注 農薬使用量を抑える為、ネギ苗に薬剤を灌注処理します。
植溝 軟白部をしっかり作る為に、植え溝を深く掘ります。
施肥 肥料の使用量を抑える為、植え溝に施肥を行います。
定植 植え付け状態が調整しやすい専用道具を使用し植えていきます。
埋戻 雑草防除も兼ねて2回に分けて植え溝に土を入れていきます。
追肥 葉色や育ち具合を見ながら生育状況に合わせて数回に分けて追肥をします。
防除 病害虫の発生傾向を基に予防的防除に努めます。
除草 病害虫の発生を抑制するよう、小まめに除草作業を行います。
土寄 ネギの太さ、伸長具合を見ながら数回に分けて土寄せ作業を行います。
台風 ネギが倒伏や湿害に合わないよう圃場の対策を行います。
収穫 植え付けから半年程度管理をしてようやく収穫となります。
調整 根部を切り詰め、葉の長さを揃えて切り、余分な皮を剥きます。
選別 太さ、重さ、軟白長、葉数、品質等により、11等級に分けていきます。
出荷 規格毎に入数、量目を揃え、5kg箱に綺麗に並べ詰めて出荷します。
初夏ネギ
5月下旬〜7月中旬
温暖で降水量も多い為すくすくと成長し、柔らかく瑞々しいネギとなります。
辛味が少な目なので火を通し過ぎないように
特に早く収穫するものは冬の間ビニールトンネルで保温します。
花芽(ねぎ坊主)を持たせないような栽培管理と品種選定が重要です。
夏ネギ
7月中旬〜9月下旬
薬味的にサッパリと食べたい時期です。
最も暑くネギの生育にとって厳しい季節ですが、この時期に良いネギを作るには梅雨明けまでの管理が重要となります。
一年中、国産の新鮮なネギを味わってもらいたい為、頑張って栽培しています。
秋ネギ
9月下旬〜11月下旬
厳しい夏の暑さと台風を乗り越え逞しく育ったネギです。
気温が下がってきてネギの成長に適した気候となり、初夏ネギのように柔らかく瑞々しいのが特徴です。
昼夜の温度差が大きくなり甘みも乗ってきます。
冬ネギ
12月上旬〜2月下旬
ネギ本来の最も旬の時期です。冬の寒さに当たる毎にネギ自体が糖分を蓄えていきます。
十分に加熱することでトロッと甘いネギが味わえます。
気温が下がるとネギの成長が止まってしまうので、秋までにいかに育てるかが栽培のポイントになります。
春ネギ
3月上旬〜5月上旬
冬の寒さに耐え忍び、春の訪れと共に生命力が増していくネギです。
日が伸びるにつれ子孫を残そうと花芽(ねぎ坊主)をつけるようになります。
坊主が出るとネギが硬くなり食味が落ちてしまうしまう為、花芽を遅らせるような品種選定と肥培管理が大事になってきます。